先輩からのアドバイスにも注意が必要?
若いうちは特にそうなんだろうけど、歳上の人、先輩の人に、いろんなアドバイスをもらうことがよくあります。
演奏そのものであったり、音楽活動のやり方、マネジメント的な部分・・・
客観的なアドバイスをもらえることは、とてもありがたいものです。
自分のことはよく見えないものですからね。
だけど、中にはとんでもなデタラメなアドバイスをしてくる人もいます。
けっこう、います。
しかも、言っている本人がデタラメだと自覚していない場合も多いからタチが悪い。
いやまぁ、デタラメとわかっていて、それでも言ってるほうがタチが悪いのかもしれないけど…。
最近も、若いミュージシャン志望の子達を脅したり騙したりして逮捕された輩が居たりして話題になりましたけどね。
その輩は明らかに、金をだまし取ったりするのが目的だったんだろうけど。
でもそういう動機じゃなくても、「自分には若者を成功に導く力がある」と勘違いしてやっている人もいます。
じゅうぶんに気をつけてもらいたいものです。
でもどうやって気をつけたらいいのか、って話なんですけど、果たしてアドバイスをきいていい人なのか、その人の言っていることは正しいのかどうか、見分けるポイントがいくつかあると思います。
その人自身が、実際にそれを出来ているかどうか
たとえば演奏の技術的な面についてのアドバイスをする時、その人がそういう演奏をできる人じゃないと話になりません。
もちろん、演奏者側と聴衆とでは感覚の差がある場合はありますから、聞き手の立場からのアドバイスとなると話は別です。
ただ、技術的なことや練習方法などといった実技面については、やはりできる人のアドバイスでないと現実味がありません。
わかっているかのように言っている人でも、実際には本に書いてあった、ネットで見た、人に聞いた話・・・などの受け売りであったりすることも。
こういう人は大概、「もっと具体的に教えてくれ」「それを実際どんなふうに?」と突っ込んで聞くと、大概言葉に詰まります^^;
演奏面以外でも、たとえば集客に関するアドバイスとか、もっと大きな話になると、「プロになるためにはどうしたらいい?」なんていう話とか。
いろいろなことを言う人はいるけれど、その人が実際にお客さんを大勢集められているか、そしてその人がプロとしてやっていけてるのかどうか・・・
空想の話を聞いてもしかたないので、ちゃんと実際に出来ている人を手本にしましょう。
とは言え、たとえばスポーツの世界でも、「名監督が必ずしも名選手であったとは限らない」とも言われています。
たとえばプロサッカーチームやナショナルチームの監督として名を挙げた人でも、現役時代はほとんど無名選手だったとか、プロ選手として活動した実績がほとんどない、なんていう人もいるそうです。
なので必ずしも、その人自身が実際に出来ていないからといって、100%信用に値しないとも言いきれません。
ただ、次のことは100%言いきれると思います。
その人のアドバイスで結果を出した人がいるか?
仮にその人が、たとえばミュージシャンとして成功した人じゃなくても、名プレイヤーでなくても、その人のアドバイスを受けた人達がどんどん成長しているというなら、その人には人にアドバイスをできる特別な才能があるのでしょう。
それはもしかしたら人間的な魅力であるとか、具体的に「何」と言えないような漠然としたものかもしれません。
そしてそういう人のところには、必ず人が寄ってきています。
そしてその人達に、慕われています。
理論的に正しいことを言っているかどうかは、あまり関係ない
まだ若かったり、経験が少なかったりして、右も左もわからない・・・というような時。
そんな時は、何だか立派な理論を言っている人、筋が通った話をしている人のことが、とても頼りがいがあるかのように思えてしまいます。
しかし理屈なんていうものは、いくらでも好きなように組み立てられてしまうものなんですよ!
たとえばネットで、「野菜を食べることは体にいい」という理論と、「野菜ばかり食べるのは本当は体に悪い」という理論を調べて見てください。
といっても、そんなの現実に調べる人は少ないでしょうけど(汗)
どっちも実にもっともらしい理屈が述べられている記事が、ネット上では多数見つかるはずです。
たとえば野菜を売りたい人は野菜を食べるといい、肉を売りたい人は野菜じゃダメ、それぞれの立場に応じた理屈を選んで発信するわけです。
とにかく、筋が通っているから真実、というわけではないんです。
合う、合わないは必ずある
さらに極めつけを言ってしまえば、もっと単純に「相性」といったものは、確実にあります。
その人のアドバイスが、Aさんにはとても合うし、そのやり方でグングン伸びるけど、同じように努力してもBさんは全然伸びない、その人の言っていることが理解できない・・・というように。
人間の感性は、細かく言えば一人一人違いますが、実際にはいくつかの類型、タイプがある、ということが様々な分野で言われています。
つまりそのタイプが同じ人同士だと、抜群に合うのです。しかし合わない人はトコトン合わない。
ある人を中心とするグループ、派閥などがよく「あのグループには独特の雰囲気があるよね」なんて言われたりするのはそのせいです。
同じような感性を持つ人達が自然に集まり,そうじゃない人は離れていくので、特定のタイプの人達独特の雰囲気がそこに現れるんです。
だから、その集まりに属していても、何だか違和感を感じる、自分だけ浮いている、そんな気がしたら、もしかしたらそれは相性が悪いだけかもしれません。
別の人のアドバイスを請け出した途端、急成長したなんていう例もよく聞く話です。
いくら頑張ってもしっくりこないのなら、その人から離れることを考えた方がいいかもしれません。
かといって、一度や二度失敗しただけですぐ離れる、なんていうのは問題外で、あくまでも精一杯やってみても、の話です。
偉そうなことを言っていますが、そういうやましん自身も、けっこうソコソコな年齢ですし、アドバイスを請われることもあります。
そして若い人達が悩んでいたり、うまくいかない様子などを見ていると、ついついおせっかいにアドバイスをしたくもなります。
アドバイスっていうのは、する側はとても気持いいものですからね。
偉くなったような、自分が立派になったような気になって、つい調子に乗っちゃう(汗)
それで、自分ではできないこととか、本当は分からないことまで、アドバイスしちゃう・・・
いけませんねぇ。
アドバイスするほうも、されるほうも、充分気をつけましょう!