始めてすぐに挫折する人が多い理由

ギターって楽しそうだな🎵

私も弾けるようになりたい(^^♪

やる気になって、ギターも買って、さあ始めるぞ!・・・と意気込んだのもつかの間、3ヶ月も経たないうちに、ギターに触れることもなくなっていた・・・

 

悲しいけれど、よくある話です。

なぜ、すぐにやめてしまうひと、あきらめてしまう人が多いのでしょうか?

推測でしかありませんが、思うところを書いてみたいと思います。

そもそもどうやって弾く楽器なのかがわからない

ユーチューブやライブなどで見るミュージシャンの演奏、あるいは身近な人でも、弾ける人の様子を見てみると、とても楽しそうに、簡単そうに弾いているように見えるものですよね。

「あんなふうに楽しく弾けるなら、自分もやってみたい」・・・

そう思うのも無理はありません。

 

しかし、いざギターを手にしてみると、まず、何から始めていいかがさっぱりわからない。

これがピアノだったら、誰でも小学校や中学校でも少しは鍵盤を触って勉強した覚えがあるはずなので、どの鍵盤を押せば何の音が出るか、ぐらいはわかるはず。

 

ところがギターになると、ほとんど予備知識もないはずです。

最近では、中学校の音楽の時間などでギターを少し習う時間もあるらしいですが・・・(どんどん増やしてほしいですね!)

 

思っていたより、最初は難しい

Cのコード

教則本を買ってみたり、ユーチューブで弾き方を調べてみたり・・・

そうやってとりあえず、何から始めていいかはなんとなくわかったとしても、実際にやってみると、思うように手が動かないものです。

 

たとえば写真のような「C」というコードをやってみたとします。

使用頻度が高く、最初のうちから必須とされるコードです。

 

人差し指、中指、薬指の3本で、指板上の3箇所を押さえるだけです・・・・というと簡単そうに聞こえるんですが、初めての人で、この写真の通りに指を並べられる人はまずいません

指が思うように開かないし、写真のように第一関節を曲げて指先を立てて並べる、ということ自体ができないのです。

実際、これでちゃんと全ての音が出るようになるまで、全く初めての人なら最低でも1ヶ月はかかると思います…いや、1ヶ月で綺麗な音を出せたら凄い!というレベルです。

 

決して鍵盤楽器を軽んじるわけではないですが(ピアニストのみなさんごめんなさい!)、この点、ピアノでCのコード(つまりドミソの和音なんですが)を鳴らすだけだったら、その日のうちにできてしまうはずです。

ピアノはそこから先がまた大変なわけですが、ギターの場合は、その最初の「音を出す」という時点で壁にぶつかってしまうものなんです。

 

できるはずないだろ!というような難関が続く

3箇所を押さえるだけでも大変なのに、とんでもな指の形を作らないと押さえられないようなコードがすぐに登場します。

「ここで壁にぶち当たる」とよく言われている、「F」のコードですね。

Fのコード

実際にはFだけでなく、BmとかB♭とか、様々な形がありますが、人差し指を寝かせて、6本の弦全てを同時に押さえるという、通称「バレーコード」とか「セーハ」とか呼ばれる押さえ方のことです。

 

実際にやってみると、「こんなのできるはずないだろ!」「いくら練習してもできるようになるとは思えない」と感じるはずです。

これも完全にできるまでには、早い人でも半年ぐらいはかかるんじゃないでしょうか。1年以上経っても、綺麗には音が出ない、ほかのコードからサッとチェンジできない、という人のほうが多いと思います。

 

うまくできなくても続けていい、ということ

だけど大事なことは、「完全にできなくてもいい」ということなんですよ。

 

これは「バレーコード」に限った話ではありません。

たとえばさっきの「C」のコードにしても同じで、全ての音がきれいに出せるようになるまで、Cコード以外の練習をしてはいけない、なんていうルールはありません。

音が半分しか出なくても、C以外のコードを練習していいし、Fの音がほとんど出ていなくても、実際にCやFを使って曲の練習に進んでいいのです。

 

ちゃんとできるようになるまで、ひたすら「C」のコードの練習だけを繰り返しなさい!なんていうことはないんです。

そんな練習、全く面白くないですよね。

 

すぐにあきらめてギターそのものをやめてしまう人の中には、そういう練習をしている人、そういう練習をしなきゃいけないと思っている人が多いのではないでしょうか?

だから案外、真面目な人ほど続かなかったりするんですよね・・

 

ギターは楽しむために始めるわけでしょうから、できないならできないなりに、下手なら下手なりに、好きな曲の練習に取り組んでみるとか、できそうなことからやってみるとか、とにかくまずは楽しみ方をみつけて練習する、ということが大事です。

 

自分だけがうまくできない、と思い込んでしまう

予想以上の難しさに、つい

「自分には向いていないんだろうな」

「自分だけ特別に手が不器用なんだ」

「自分は特に手の関節が固いからうまくできないんだ」

なんて思う人が非常に多いみたいです。

 

「1ヶ月も経つのに、Cのコードがきれいに鳴らない」・・・

 

いや、これ、普通です(笑)

みんなそうです。あなただけじゃないです。

そりゃあ毎日欠かさず1時間、Cのコードばかりひたすら練習していた、という我慢強い人なら別でしょうけど・・・

 

とにかく、自信を無くさないでほしいんですね。

 

導いてくれる人が必要

なんだか「難しいんですよ!」「大変なんですよ!」と脅しているかのような文章になってしまいましたが・・・(汗)

 

人が一番不安になる時というのは、自分の居場所がわからなくなった時です。

大げさな言い方かもしれませんが、現在地がどこで、そしてどこに向かって進めばいいのかわからなくなった時。

大海原や樹海のようなところで一人迷子になってしまった時ですね。

 

ギターの練習をするにあたって、自分の現状がどうか、ということを客観的に知ることはとても大切だと思うんです。

1ヶ月経ってもこれくらいしかできない、これは異常なのか、それとも正常なのか・・・そのほとんどの場合が実は正常なんですが、それは正常ですよ、とちゃんと教えてくれる人がいないと、ただただ途方に暮れて辞めてしまうんですよね。

 

「こうやって練習をしていけば、その壁は突破できる」というのがわかっていれば、練習のモチベーションも続くはずです。

 

あと、レッスンを受けに来られる人がよくおっしゃる言葉で、

練習してるけど、うまくなっている気がしない

というものがあります。

でも実際に弾いてみてもらうと、前よりはうまくなっているんですよね。

 

これについては二つのことが言えます。

一つは、まだ客観的に聞く耳が育っていないので、上達したことに気づかない、ということ。

もう一つは、「うまくなる」=「スラスラ弾ける」ということだと決めつけているということ。
前回よりは確実に上達しているけれど、上級者のように完璧には弾きこなせていないので、うまくなったと認められないだけ、なんです。

 

こういったことは、やっぱり客観的に見てもらわなければいけません。

一人でやっているとこの点をいつまでも認められず、「やっぱりダメなんだな」と思い込んでしまいがちです。

 

講師、コーチの必要性というのは、技術的な部分を教えてもらうことだけではなく、それよりも、進歩の確認とか、上達する楽しさなどを教えてもらう、というような、心理的な面も含めたサポートをしてもらえるところにあるのではないかな、とも思っています。

それが得られずに、あきらめてしまう人が多いような気がしているんですね。

ギターを教える

※写真はイメージです。イケメン外国人講師が手取り足取り教えているわけではありません(笑)