ステージ音響(PA)、マイクの使い方

今回は人前で演奏をするようになってから、あるいはその前段階でのお話をしてみたいと思います。

ライブハウス

ライブやオープンマイク/オープンステージといったイベントに出演する際には、PA(ピーエー)と呼ばれる音響機材を使うことになります。

専門的なことはそのイベント会場のPAスタッフの人にお任せすればいいのですが、やはり演奏者側もその使い方に知っておくべきことがあると思います。

その基本中の基本について、いくつか書いてみたいと思います。

楽器をつなぐ「シールド」の取り扱い

ギターがマイク内臓のエレアコの場合、当然ギターをアンプなどにつないで音を出すことになります。

その際にギターとアンプを繋ぐ線を「シールド」といいますが、それは自分のものを持参するようにしましょう。

 

エレアコの場合、ライブハウス等では、アンプではなくミキサーに直接つないだり、ミキサーに繋ぐ前の接続機器みたいなものにつなぐ場合がほとんどです。

どこにつなぐかはスタッフさんの指示を仰げば問題ありません。

店によってはシールドが準備されている場合もありますが、普段から持ち歩く癖をつけたほうがいいと思います。

シールドの抜き挿しに要注意

シールドの先端(プラグ)をギターや接続先につなげる時には、ちょっとした注意が必要です。

 

PAから音が出るようになっている状態の時に抜き挿しをすると、「ボンッ」という大きな音が出てしまいます。

これを繰り返すとPA機材が破損する可能性があります。

基本的には、演奏が終わった後、始まる前のセッティング時にはPAスタッフさんがOFFにしてくれていますが、そうなっていない場合もあるので、一応PAスタッフさんに、抜いてもいいか/挿してもいいかをを確認することをお勧めします。

 

親切なPAさんだと尋ねる前に言ってくれたり、目を合わせればOKサインをくれますよ。

 

これは普段、たとえば自分のアンプを使う時や、スタジオを借りて練習する時にも注意しましょう。

かならずアンプやPA側の入力ツマミをゼロにして、音が出ない状態にしてから抜き挿ししてください。

 

マイクも楽器の一部、上手な使い方

ヴォーカルマイク

続いてボーカル用のマイクですが、マイクというのは全ての音を拾ってくれるわけではありません。

通常、ライブ会場などで使われているマイクは、至近距離の音を拾うように設計されています。

しかも、基本的には、正面の音をよく拾うようになっています。

なので、マイクの真正面に口を持っていってください

 

そして、マイクと口の距離ですが、マイクの種類にもよるし、諸説あるのですが、基本的に5cmを目安に考えてください。

ただし、特に大きな声を出す時にはその距離を離します

 

つまり普段はマイクの正面、5cmぐらいの位置をキープするということ・・

これ、ハンドマイクで歌うボーカル専門の人ならまだしも(それでもけっこう難しいけど)、弾き語りをする人にとってはとても難しいです(汗)

よほど慣れている人じゃないと、難しいです。

 

まず、ギターなりピアノなり、つい手元を見てしまいますよね。

あとは、楽譜を見ながら演奏する人だと、口がマイクから離れやすいです。

 

なかなか難しいことですが、これはスタジオ練習やオープンマイクなどに参加して、繰り返し習得していくしかないと思います。

せめて家で練習するときも、時々何かをマイクに見立てて顔の前に置いて練習するとか。

けっこう、やってみると難易度高いですよ。

自分の声が聞こえないのも、実はマイクの使い方のせいかも

ステージ上で自分の声が聞こえない・・・ということを言う人の中には、実はマイクの使い方、声の出し方がよくないというケース、案外多いように思います。

前途したようなマイクの距離や角度が問題であることがまず一つ。

あとは、小さな声しか出していないため、マイクにうまく自分の声が入っていないのです。

 

この状態で、PAのほうでボリュームを上げてしまうと、ハウリングが起こります。

 

これを防ぐためには、まずしっかりと声を出すというのが大前提になるわけですが、本番前に本気で声を出してマイクの音量チェックをすることをおすすめします。

よくあるのが、小さな声で「アー、アー」とだけ言って、「聞こえないからもっと上げてください」というパターン。

それに合わせてボリュームを上げておくと、本番で大きな声を出して歌った時に大変なことになります。

特にリハーサルのない、オープンマイクのような時には注意が必要ですね。

 

いずれにしても、PAスタッフさんから「これ以上は上げられない」と言われたなら、それはマイクの使い方や声の出し方を工夫しなければならない、ということです。

 

あと、マイクを叩いてチェックをするのは厳禁です。息を吹きかけるのもダメ

ともかくマイクは丁寧に扱いましょう。

自分の音が聞こえない〜楽器の場合

声をしっかり出してみても自分の声が聞こえないなら、それはPAスタッフさんに告げて上げてもらいましょう。

 

基本的にステージでは足元に置いてある場合が多いですが、「返し」「モニター」と言われる、ステージ上の演奏者向けに音を出すスピーカーがあります。(ない場合もありますので、それは仕方ないです)

そこからの音を確認しましょう。

 

で、ギターの音が聞こえづらい場合も同じなんですが、実は弾き方の問題だった、というようなことも度々あります。

普段から弱い音で弾く癖がついている場合ですね。

当然これはその場で直せるものではないですが、PA側でボリュームを上げたときに、ピックや指がこすれる音がやたら目立つというのなら、その傾向がある可能性があります。

 

ひどい場合はハウリングを起こしますし、やたらボワンボワンした音になるとか、耳障りな音になってしまうことがあります。

 

よくあるのが、指弾き(アルペジオ)になると極端に音が小さくなるケース。

ストロークに比べてアルペジオは難しいですし、自信がない人などはつい音が小さくなりすぎてしまいます。

多少は小さくなるのが普通なんですが、あまりにも差がある時は、普段からの弾き方を見直すべきかと思います。

 

こういったことも、PAスタッフさんに尋ねてみると、親切な人だと教えてくれるはずです。

 

最悪のパターン(軽く毒舌注意…)

最後に・・・

めったにないことなんですが、ごく稀に、こりゃダメでしょ…みたいな人もいるので、こっそり(?)書いておきますね。

 

PAスタッフやお店、イベントスタッフに対して、横柄な態度をとったり、無理な注文を出す人がいます。

これはもう、問題外ですね。

 

もちろん、必要な注文は出すべきですが、だからと言って偉そうに言っていいわけではありません。

 

有名な大物ミュージシャンの中には、リハーサルでスタッフに厳しい指示を出したり、中には怒鳴りつけるような人もいます。

彼らは厳しいプロの張り詰めた世界で生きている人たちですし、そこに到るまでに様々な経験、技術、その他諸々を経てきた人たちです。

 

そういうシーンをユーチューブや映像作品で見たことがある人も多いと思いますが、決してその表面的な部分だけを真似しないようにしましょう(笑)

思い切り嫌われるだけです…

本当なら、そういうのを叱ってくれる先輩とかいるといいんですけどね。

 

 

ということで、目下ステージデビューを目指して練習中の方、そのステージに立つ時がきたら、ちょっとこのことを思い出してくださいね。

オープンマイク