曲のキーって何?〜超大雑把な解説

「 この曲のキーはCで」とか、「Aマイナーで」とか・・・聞いたことはないでしょうか?

ともかく曲には「キー」というものがあるんですが、そのことについて今回は説明したいと思います。

 

ただ・・・

きちんと説明しようとするととても複雑になってしまいますので、ごくごく大雑把に、初心者の方にわかりやすいように説明させていただきます。

 

なので、本来の「キー」の意味とは違っていたり、音楽理論的に間違った解釈でお教えする部分もあります。

すでに「キー」について理解している人には違和感のある内容になっているかと思うので、あくまでも「超初心者向け」の解説として、細かいところはスルーしていただければと思います^^;

 

キーとは、「調」…?

音楽の授業なんかで、「へ長調」とか、「イ長調」とか、「イ短調」とか、そんな言葉を聞いた覚えがないですか?

クラシックの曲名なんかでもありますよね、たとえば「ピアノ協奏曲第一番ハ長調」とか。

 

この「ハ長調」とか、「イ短調」ってのが、「キー」のことなんです。

 

大雑把に言うと、「ドレミファソラシド」のことを、日本語では「ハニホヘトイロハ」と置き換えて表現します。

日本の音楽の授業やクラシックで使われているのが、この「ハニホヘトイロハ」という表現。

 

ですが、ポップス界ではアルファベットで「CDEFGABC」。

 

(※本当は、ドレミファソラシドの意味はハニホ〜やCDE〜とは違うのですが、そこは細かい話なので省略します。)

 

で、「長調」というのは「メジャー」、「短調」というのは「マイナー」のことです。

 

つまり、「ハ長調」というのは「Cメジャー」ということになります。

「イ短調」は「Aマイナー」です。

 

Cメジャー、Aマイナー・・・これって、コードの名前と一緒ですよね?

コードとキー、同じ意味なんでしょうか?

なんだか頭が混乱してきそうです(笑)

本当は使っている音階という意味…(難しいので飛ばしてOK 笑)

本当は、キーというのは使っている音階のことを表しています。

ただこれはけっこう面倒くさい話になるので、ここは飛ばしてもらっていいです(笑)

 

キーとは、その曲が、どういう音を使って成り立っているか、ということです。

 

たとえば、基本的に「ド レ ミ ファ ソ ラ シ ド」の音を組み合わせてで成り立っているものはハ長調=Cメジャーです。

 

たとえば、「ドレミの歌」って、

ドレミドミドミ レミファファミレミ・・・」

っていう音で、どの音も「ドレミファソラシド」のどれかで成り立ってますよね。

 

♯(とか♭)のついた音が一個も出てきません。

基本的に(例外は多々あります)、これがハ/Cから始まる音階を使って作られているということで、ハ長調、Cメジャーの曲ということになります。(短調については後述)

 

ちなみに、コードと同じで、「メジャー」という言い方は省略します。「Cメジャー」のことはただ「C」といいます。

 

で、このドレミファソラシドの音で作られた曲では、ちょっと低すぎて歌いにくいなぁ、となったとします。

それならば、全部1音あげてしまえばいいわけですよね。

なので

レ ミ ファ ソ ラ シ ド レ

にしてしまえばいい・・・かというと、そうではないんです。

 

実際に鍵盤などで弾いてみるとわかると思いますが、このまま弾くととても違和感があります。

この場合、「ファ」と「ド」に「♯」をつけないといけません。

あ、ハッシュタグではないです(笑)シャープです。

 

なぜ♯が必要かというと、ドレミファソラシドのうち、「ミとファの間」、「シとドの間」には、半音の差しかないんですね。

ピアノの鍵盤を見て見ると、黒鍵がないでしょう?

なので、レから始まる場合は、ファとドに#をつけて、

レ ミ ファ♯ ソ ラ シ ド♯ レ

というふうにしないと、それぞれの音の間隔が同じにならず、同じような響きにならないんです。

 

これが、ハ長調、C(メジャー)のキーを1音あげたもので、レ(つまりニ/D)から始まる「レ ミ ファ♯ ソ ラ シ ド♯ レ」の音で作られた「ニ長調、D(メジャー)」のキーということになります。

 

これがさらにもう1音、ミから始める音階にまであげようとすると、

「ミ ファ♯ ソ♯ ラ シ ド♯ レ♯ ミ」

と、♯が増えてきましたね。

ミから始まる、つまりホ/Eから始まる音階によって作られた、「ホ長調/E(メジャー)」です。

 

 

音楽の時間に習った楽譜でいうと、楽譜の最初にいっぱい#がついているやつ、ありましたよね。

下の画像は、「この曲はファとドの位置に♯をつけなさい」という指示です。つまりこの曲は、ニ長調/Dですよ、ということを示しているわけです。

 

いやー難しい話ですね、面倒くさいですね・・・(汗)

でもこれでも、かなり端折った解説ですし、音楽の先生からは「本当はそういう意味ではないですよ、間違ってますよ」と怒られるような解説です。

でもまあざっと、こんなイメージでとらえてください。

 

 

ところで、単調、つまりマイナーの話がまだ出てきていませんが・・・

 

これも話すと長くなるので省略しますが、簡単に言えば、ドレミファソラシドの、ミとラを最初からわざと半音さげた音階、つまり

「ド レ ミ♭ ファ ソ ラ♭ シ ド」

という音階も実は存在するんですよ。これがマイナーの音階。

(細かく言うと、マイナーの音階には他の種類もありますが、ここでは省略。)

この、ド(つまりハ/C)から始まる、マイナーの音階にある音で曲を作ったら、その曲はキーが「ハ短調、Cマイナー」ということになります。

キーの種類、数

で、このようにキーというのには長調と短調(つまりメジャーとマイナー)があって、それがハニホヘトイロ/CDEFGAB、と、それぞれの♯の分、12種類に、それぞれメジャーマイナー、計24種類がある、ということになります。

 

メジャー

C C♯(=D♭) D D♯(=E♭) E F F♯(=G♭) G G♯(=A♭) A A♯(=B♭) B

マイナー

Cm C♯m(=D♭m) Dm D♯m(=E♭m) Em Fm F♯m(=G♭m) Gm G♯m(=A♭m) Am A♯m(=B♭m) Bm

 

※繰り返しになりますが、EとBには♯がありません。

※♯は半音上げ、♭は半音下げの意味ですが、上記の通り、Cの半音上げであるC♯と、Dの半音下げであるD♭は同じ意味です。どちらの呼び方をするかは曲やその時次第ではありますが、ギターの場合主にC#、E♭、F♯、A♭、B♭という言い方をすることが多いです。(マイナーの場合も同じく)
D♭、D♯、G♭、A♯という言い方はあまりしません。

コードから見るキー

さきほど、C(メジャー)とかAマイナー(Amと表記します)とか、キーの名前とコードの名前が同じで、混乱しそう・・・ということを書きましたね。

ここも、きちんと説明すると超絶に長くなるので、かなり噛み砕いて説明していきましょう。

 

それぞれのキーは、「どのコードが使われているか」という観点から見ることもできます。

たとえばキーがC(メジャー)の曲の場合

ほぼ確実に、その曲にはCのコードが登場します

 

あと、よく使われるコードは、他に、

F、G7(またはG)、Am、Em、Dm

などがあります。

細かいことを言うと、上記の全てのコードの構成音は、ドレミファソラシドのどれかになっているんですね。
Fはファ ラ ド、Amはラ ド ミ…というように。つまりCのキーの音階上にある音しか使わないコードのため、Cのキーの曲に違和感なく使えるコードなのです。ただし例外は多々あります。

 

ともかく、これらのコードを中心に作られている曲なら、その曲はキーが「C」である可能性が高いです。

 

で、この曲がなんだか低すぎて歌いにくい、全部1音上げてみよう・・・となった時、その曲に出てくるコードを、全部1音ずつ上げていけばいいんです。

キーはDになり、C(メジャー)のコードは、Dのコードになりますよね。

AmはBmに。

Emは、Fm・・・ではなく、ここはF♯mになります。
(EとFの間は半音しかないからです。)

ギターでいうと、2フレット分上げたコードになります。

 

つまり、キーがDの曲には、D、G、A7(またはA)、Bm、F♯m、Emなどが主に出てくる、ということになります。

 

このように、キーによって、その曲で使われている主軸となるコードがある程度限定されてくる、ということなんです。

なので慣れてくると、その曲のコードを見るだけで、その曲のキーがわかる、ということになります。

このページの最下部に、一覧表を載せておきます!

ただし、あくまでもある程度であって、シンプルに作られた曲の場合の話です。あえて複雑な、例外的なコードを用いた作り方をしている曲もたくさんあります。

 

簡単なキーの見分け方(不正確)

最後に、もっと簡単で大雑把なキーの見分け方の目安をお伝えしましょう。

ただこれは、正しいキーの見分け方ではありません。そして例外も非常に多いので注意してください。

 

基本的に、曲の最初、そして最後のコードが、その曲のキー名と同じであることが比較的多いです。

たとえばキーがC(メジャー)の曲なら、コードもCで始まり、Cで終わる。

キーがEmの曲なら、コードもEmで始まりEmで終わる、というふうに。

 

ただ繰り返しますが、これは例外も非常に多いです。

あえて違うコードで始まる、違うコードで終わるように作られている曲もたくさんあります。

 

また、途中で転調している(途中から曲のキーを変えてある)曲の場合は、当然転調後のキーのコードで終わることが基本にになります。

 

 

ということで、これでも初心者の方にはとても難しい話になってしまったかと思いますが、以上がおおまかなキーの見方です。

最後に、各キーごとの呼び方、主要コードを一覧表にしておきますので、参考にしてください。

KEY一覧表

※日本語表記の欄の「嬰」は♯、「変」は♭を意味します。

メジャー(長調)キー マイナー(短調)キー
アルファベット表記 日本語表記 主要コード アルファベット表記 日本語表記 主要コード
C ハ長調 C、F、G7またはG、
Am、Em、Dm
Cm ハ短調 Cm、Fm、G7またはGm、E♭(D♯)、G♯(A♭)、A♯7(B♭7)またはA♯(B♭)
C♯
D♭
嬰ハ長調
変ニ長調
C#、F#、
G♯7(A♭7)
またはG♯(A♭)、B♭m(A♯m)、Fm、E♭m(D♯m7)
C♯m
D♭m
嬰ハ短調
変ニ短調
C♯m(D♭m)、F♯m(G♭m)、G♯m(A♭m)、E、A、B7またはB
D ニ長調 D、G、A7またはA、Bm、F♯m(G♭m)、Em Dm ニ短調 Dm、Gm、A7またはAm、F、A♯(B♭)、C7またはC
D♯
E♭
嬰ニ長調
変ホ長調
D♯(E♭)、G♯(A♭)、A♯7(B♭7)またはA♯(B♭)、Cm、Gm、Fm D♯m
E♭m
嬰二短調
変ホ短調
D♯m(E♭m)、G♯m(A♭m)、A♯7(B♭7)、F♯(G♭)、B、C♯7(D♭7)または
C♯(D♭)
E ホ長調 E、A、B7またはB、C♯m(D♭m)、G♯m(A♭m)、F♯m(G♭m) Em ホ短調 Em、Am、B7またはBm、G、C、D7またはD
F へ長調 F、B♭(A♯)、C7またはC、Dm、Am、 Gm Fm へ短調 Fm、A♯m(B♭m)、C7またはCm、G♯(A♭)、C♯(D♭)、D♯7(E♭7)またはD♯(E♭)
F♯
G♭
嬰へ長調
変ト長調
F♯、B、C♯7(D♭7)またはC♯(D♭)、D♯m(E♭m)、A♯m(B♭m)、 G#m(A♭m) F♯m
G♭m
嬰ハ短調
変ト長調
F♯m(G♭m)、Bm、C♯7(D♭7)またはC♯m(D♭m)、A、D、E7またはE
G ト長調 G、C、D7またはD、Em、Bm、Am Gm ト短調 Gm、Cm、D7またはDm、A♯(B♭)、D♯(E♭)、F7またはF
G♯
A♭
嬰ト長調
変イ長調
G♯(A♭)、C#(D♭)、D♯7(E♭7)またはD♯(E♭)、Fm、Cm、A♯m(B♭m) A♭m
G♯m
嬰ト短調
変イ長調
G♯m(A♭m)、C♯m(D♭m)、D♯7(E♭7)またはD♯m(E♭m)、B、E、F♯7(G♭7)またはF♯(G♭)
A イ長調 A、D、E7またはE、F♯m(G♭m)、C♯m(D♭m)、Bm Am イ短調 Am、Dm、E7またはEm、C、F、G7またはG
A♯
B♭
嬰イ長調
変ロ長調
B♭(A♯)、D♯(E♭)、F7またはF、Gm、Dm、Cm B♭m
A♯m
嬰イ短調
変ロ短調
A♯m(B♭m)、D♯m(E♭m)、F7またはFm、C♯(D♭)、F♯(G♭)、G♯7(A♭7)またはG♯(A♭)
B ロ長調 B、E、F♯7(G♭7)またはF♯(G♭)、G♯m(A♭m)、D♯m(E♭m)、C♯m(D♭m) Bm ロ短調 Bm、Em、F♯7(G♭7)またはF♯m(G♭m)
D、G、A7またはA

 

動画でも、別の角度から説明しています!