ギターを買う時に必ず揃えておくべきアイテムとして、ピック、チューナー、そしてカポタストというものがあります。
カポタスト・・・略して「カポ」と言われる場合が多いです。
写真に写っているような、ギターのネックをカポっと挟むやつ・・・^^;
すでにギターを始めている人なら、これが何かはもう説明する必要もないでしょうけど、初めての方のために、その役割、そして一歩踏み込んで「移
調」の話など、させていただきましょう!
ちなみに、カポはAmazon等で安く買えます。一番安いので使いやすいのがこちらでしょうか。
カポをつけてキーを高くする
カポの主な役割は、「キーを変える」ということです。
カラオケなんかでも、どうしても高すぎて歌えないとか、低すぎて歌いにくい時に、高さを変える機能がついていたりするでしょう?
要するに、あれです。
で、まずはキーを高くしたい時。
やり方は単純です。「カポ」をどこかにつければいいんですね。
こんな感じ。
写真では「2フレット」にカポをはめています。
カポをはめることによって、2フレット分、音が高くなります。
ギターは1フレットで半音なので、これで音が1音上がることになります。
写真ではカポを2フレットにはめて、形としてはEmのコードを押さえています。
なので実際に出てくる音はEmより1音高い「F♯m」ということになりますが、通常これを「2カポのEm」というふうに呼ぶことが多いです。
原曲のキーが低すぎて歌いづらい場合は、こんなふうにカポをつけて高くしていきます。
2カポ、つまり1音あげたぐらいではまだ低いな・・・と感じたら、3、4・・・とずらしていって、ちょうどいい高さを見つけます。
が、あんまり高い位置にカポをつけると弾きにくいし、音も全体的に高くなって軽い感じになってしまいます。
7カポ、8カポぐらいにするのなら、いっそキーそのものを変える(コードを全て置き換える)してしまったほうがいいでしょう。
では、逆に、キーを低くするにはどうしたらいいでしょうか??
これも、コードを全て置き換えるしか、方法がありません。
半音ぐらいなら、チューニングを半音下げにする、という手もありますが…
基本的には、カポを使うことによってキーを下げる、ということはできません。構造上、当然ですよね。
キーを下げたり、移調する方法
ここでは、カポの話からちょっと外れてしまうんですが・・・
たとえば原曲のキーがCなんだけど、どうしても少し高くて歌えないので、1音下げたいとします。
仮にその曲で出てくるコードが、C、G7、F、Am、Dmの5つだったとしましょう。
1音下げるには、これらのコードを全て1音分下げたものに変えなければなりません。
C→B♭
G7→F7
F→E♭
Am→Gm
Dm→Cm
このようになりました。
要するに、この書き換えたコードで弾けばいい、ということになりますね。
さらに1音下げたければ、A♭、E♭7、D♭、Fm、B♭mというふうになります。
逆に言うと、キーを上げたい時も、カポを使わないで書き換えたっていいわけです。
1音上げたいならD、A7、G、Bm、Em、というように。
ただ・・・
たとえば1音下げた時のB♭、F7、E♭、Gm、Cm・・・
これ、全部バレーコードだし、弾きにくいですよね。
これを、なんとか簡単にできないものだろうか・・・
ということで再び、カポの登場です!
難しいコードばかりの曲を、カポによって簡単にする
たとえばBフラットのコード。
バレーコードの中でも、難しいやつですよね(>_<)
バレーコードというのは人差し指で全部の弦を押さえちゃうやつです。
でも、これと同じ音を、カポを使って出そうとすると・・・
1フレットを人差し指で押さえる代わりに、カポを1フレットにつけて、Aのコードを押さえる。
そうすると、結果的に同じ場所を押さえていることになり、全く同じ音になりますよね。
同じように、F7を普通に押さえると
こんな形ですが、
同じく1フレットにカポをつけると
E7を押さえれば同じ音になります。
他のコードも、実はカポをつけることで簡単になります。
※さらに3フレットにカポをつけた場合も付け加えて、表にしてみました。
原曲 | 1音下げた | 1フレットにカポ | ※3フレットにカポ |
---|---|---|---|
C | B♭ | A | G |
G7 | F7 | E7 | D7 |
F | E♭ | D | C |
Am | Gm | F♯m | Em |
Dm | Cm | B♯m | Am |
原曲のキーが高かったので、1音下げたら、バレーコードばかりになって難しくなってしまった。
↓
1フレットにカポをつけたら、ちょっと簡単なコードで済むようになった。けど、F♯m、B♯mがちょっと難しい。
↓
カポを3フレットに移動したら、もっと簡単なコードで同じ音が出せるようになった。
こういう流れですね。
こんなふうに、カポを利用することによって、比較的簡単なコードに置き換えていくことができるのです。
コード置き換えの方法
ただ問題は、コードをどうやって置き換えるのか、ですね。
CをB♭にしたので、Fも1つさげてE♭になる。
それを1カポで弾くとしたら要するに半音下げたコードの形で弾くと合うことになるので、D。
こういう計算を全部やっていたら、頭が混乱します。
そこで、便利なスマホの無料アプリがあるので、それを使うといいでしょう。
移調ヘルパーでコードを置き換える
用いるのは、移調ヘルパーというアプリです。
アプリサイトで「移調ヘルパー」と検索してください。
アプリを開くと、こういう二重の円にコードのアルファベットが書かれた画面が開きます。
それで、たとえば内側の円を原曲のコードということにしましょう。
(逆でも使えます。)
先ほどの例のように、Cを1音下げてB♭にする、という例で説明しましょう。
Cの外側に、B♭(A♯と同じ)がくるように、外側の円を回します。
そうすると、Fの外側にはE♭(D♯)がきますね。
つまり、原曲のFのところは、Eフラットのコードに置き換えればいい、ということになります。
では、原曲のAmはどうでしょうか?
画面上には、マイナー(m)やセブンス(7)といった表記がありませんが、いずれも同じ使い方で構いません。
Aの外側にはGがきていますので、AmもGmに、ということになります。
原曲のG7はF7になる、ということです。
これがあれば、すぐにコードを置き換えられますね!
どうしても、アプリをダウンドーロしたくない、という方は、こういう円だけでも図に書いて残しておきましょう。
たとえばCを1音下げてB♭にした場合は、反時計回りの方向に2マス移動することになります。
同じように、Fも反時計周りに2つずらしたところに書かれているE♭に置き換えればいい、ということです。
簡単なコードに置き換える
今度は、バレーコードの少ない、簡単なコードに置き換える場合の移調ヘルパーの使い方です。
B♭を3カポでGにする場合を例にあげましょう。
B♭(A♯)を内、外ともに合わせたところから、外の円を時計回りに3マス動かすとGになります。
これは何を意味するかというと、このマス1つ分が、フレット1つ分にあたるのです。
なので、3枠分時計回しにずらしてGになったということは、3フレットにカポをつけてGを弾くと、実際にはB♭と同じ音が出る、ということです。
この状態で、他のコードを見てみます。
E♭は、3カポではCですね。
Gマイナーは、3カポでEmです。
何カポにすれば簡単になるのか?
では、一体何カポにすれば、コードは簡単になるのでしょうか?
これにも一通り法則性があるのですが、説明していたら長くなりすぎてしまいます。
それよりも、このアプリを使って何パターンか試してみて、調べてみることをお勧めします。
そうしているうちに、このキーだったらカポを何にして何のキーで弾くと簡単になるな、というのが直感的にわかるようになります。
そしてやがて、こうしたアプリがなくてもコードを置き換えられるようになってきます。
まとめと、とりあえずの使い方
ということで、カポ(カポタスト)の使い方、なんとなくご理解いただけたでしょうか?
移調の話にまでなってくると、けっこう頭が混乱してしまうかもしれません。
まあとりあえずの使い方としては・・・
見ている楽譜(コード譜)に、「capo:3」みたいな表記がしてあった場合は、3フレットにカポをつけて、そのコードの通りに弾けば、原曲と同じキーになる、ということです。
アコースティックギターでコードを弾く場合、基本的には、開放弦(どのフレットも押さえずに弾く弦)が多いほうが綺麗な音になるので、(プレイスタイルや
ジャンルによっても違いますが…)単に弾きやすくするためだけでなく、カポを多用するという傾向が昔からあります。
エレキギターの場合はどちらかというと逆で、あまりカポは使いません。
他の楽器にはない独特のアイテム、独特の移調方法といえるかもしれませんね。