「F」のコードがうまく押さえられず、そこで挫折する・・・
一番ありがちな「ギター初心者あるある」ですね。
確かに、「Am」とか「G」とかに比べるとかなり難しいです。
本当にこんなコード、押さえられるようになるのかな?と心配になっている初心者の方も多いはず。
今回は改めてその「バレーコード」について、話を進めていきましょう。
そもそもバレーコードは必須なのか?
ほとんど初めての方には、いきなりバレーコードを教えたりはしていないし、たとえばFやBmにも省略形の押さえ方があります。
必要に応じて、初心者の方にはその省略形をお教えしているのですが、でもやはり、ずっとそのままでいいわけではありません。
まず、省略形のFやBmは低音部分の音を出さないので、どうしても音が薄っぺらくなってしまうんですね。
それに、バレーコードはFやBmだけではなくほかにもあるので、やはりバレーコードができないと、弾ける曲が極端に限られてしまいます。
なので、やはりバレーコードの習得は欠かせないのです。
もちろん、いきなり最初からできなければならないわけではないですよ。
バレーコードはいろんな意味で「壁」
ギターを続けられるかどうかは、「F」という壁を超えられるかどうか・・・というようなことがよく言われています。
この壁を超えられずに辞めてしまう、という人が多いというような意味で「壁」と言われているのだと思いますが、ここでは敢えて、違う意味で壁である、ということを伝えておきたいと思います!
ちょっと精神論的な話ですけどね・・・
その意味とは、「壁」には必ず外側がある、ということなんです。
そしてその壁の外側は、内側よりも広い世界なんです。
壁を超えることで、一気に世界が広がる、ということなんです。
もうちょっと具体的に話しますね。
例えば「F」のコードが押さえられるようになったとしましょう。
その指の形のまま1フレットずらせば、「F#」のコードになります。
指の形は同じですから、当然Fができるようになれば、同時にF#もできることになります。
Fを3フレットずらせばA♭です。そこからさらに2つずらせばB♭。
また、これはちょっと指の形が変わりますが、Fの小指を話せば「F7」というコードになります。
中指を離せば「Fm」です。
当然、そのFmを1フレットずらせば「F#m」。さらに1つずらせば「Gm」・・・と、できるコードが飛躍的に増えるのです。
さらには、初心者の方には難しい話なので詳細は省きますが、同じ形のまま位置をずらしてコードを変える…ということを繰り返していくうちに、コードや音階の仕組みについてもだんだんと理解できるようになっていきます。
ともかく、このバレーコードをマスターすることによって、いろいろとギターの技術、そして理論に対する理解が広がっていきます。
これはやはり、プラスの意味での壁、というように考えていいのではないでしょうか!
なぜバレーコードが押さえられないのか!?
ではいよいよ核心に迫りましょう。
そのかわり、ここからは、なかなか厳しい話になりますよ(汗)
なぜ、バレーコードがうまくできないのか・・・
この答えは、はっきり言って一つです。
『練習量が足りない』
これに尽きます。
「私は、手が小さいから」
「私は、握力がないから」
・・・みなさん、いろいろなことを言います。
まだ体の小さな小学生で、きちんとバレーコードを押さえている女の子を何人か知っています。
手が小さく、握力もありません。
だけど、練習を繰り返した結果、できるようになったんですね。
だからあまり、握力や手の小ささは関係ありません。
体の小さい人でも、大人の手ならまずそれは理由になりません。
繰り返しますが、確かにバレーコードは難しいです。
個人差はありますが、習得するのに時間がかかります。
しかし、決して人体の構造上無理な形なわけではないのです。
それは、全国にギタリストが何万人、何十万人いるのかわかりませんが、実際にその人たちがちゃんとバレーコードを押さえているという事実からも言えることです。
「それでも半年経つのに、バレーコードが押さえられない」という方・・・
半年で辞めず、もうしばらく続けてみてください。
個人差もありますし、練習量(時間)の違いもあるので、どれだけで、とは断言できませんが、続ければできるようになります。
できる人とできない人の違い
バレーコードもマスターし、いろんな曲を弾けるようになった人と、そうでない人の違い・・・
これも、答えはズバリ一つです。
できるようになる前に辞めたか、辞めずに続けたか。
これに尽きます。
もちろん、特別に才能がある人も中にはいます。そういう人は、比較的早めにマスターできるでしょう。
だけど、現役のギタリストが皆、特別な才能がある人ばかりではありません。
むしろそういう人はごく一部でしょう。あとは皆、普通の人と同じ。唯一の違いが、辞めたか辞めないかの違いだと思います。
そういうやましん自身も、ちゃんとバレーコードができるようになるまでに、半年以上は間違いなくかかっていると思います。
特に自分の場合は、最初に使っていたギターが不良品で、プロでもまともに弾けないレベルのものだった(ただそういうことも初心者だった当時の自分にはわからなかった)ので、多分人より時間がかかっていたと思います。
※このように、ギターが不良品であるために、なかなか上達しない、というケースもあります。気になる方は自分のギターを上級者の人や楽器屋さんに見せて相談してみてください。
主な理由は、「弦高が高すぎる」「ネックが曲がっている」というような問題です。
バレーコードの練習はコツコツと
実際の練習方法はといえば、とにかく繰り返すこと、これが一番です。
間違った押さえ方をしていないかどうかは、画像や動画を見ればだいたいわかると思います。
というか、これだけ世の中に情報が出回っているので、間違えようがないといってもいいかもしれません。
実際に押さえている人の手の形をよくみて、手首やそれぞれの指の位置と角度を真似して、それを繰り返すだけです。
もちろん、教えてくれる人がいればベストですが、教わったからすぐできるものでもありません。
今日と明日とでは、全然進歩が見られないかもしれません。
でもそれは進歩していないのではなくて、気づかない範囲の進歩をしているんです。
だからこそ、途中で辞めないことです。
どうしてもギターが弾けるようになりたい、憧れのミュージシャンに少しでも近づきたい、好きな曲を弾きたい・・・
一番大事なのはその情熱です。
それを忘れず、日々繰り返していれば必ずできるようになります。
そしてできるようになれば、一気に壁の外側へ飛び出し、より楽しいギターライフの深みにはまっていくことでしょう!!