アコースティックギターのピックの種類や用途について

ギターを始めるにあたって、最初は「ピック」ってどうやって使うのか、そもそも使わなきゃいけないものなのか??

疑問に思うところもあると思います。今回はその基本の基本、ピックの話です。


ピックを使った弾き方の代表的なもの

わたくし、やましんはギターを始める前に、ピックというものは、メロディーを弾く時にのみ使うものなんだと思っていたんです。

いわゆる「リードギター」ですね。

単音弾き、つまり一音一音弾く、ということは弦を一本ずつ弾く時にのみ使うもの、と思っていたんですよ。

 

伴奏で和音を出すような時には、ピックを使わずに指で弾くものなんだと思い込んでいたんです。

右手の指でそれぞれの弦を同時に弾くものなんだと。

だから弦は6本あるけど、5つの音しか同時に出せないんだ….と。

 

で、その後初めて教則本を買ってきて、「ストローク」という弾き方があることを知ったわけなんです。

全部(あるいは一部)の弦を一気にジャラーンと弾き下ろす、というやつですね。

 

主に、ピックを使って弾く弾き方としては、このストロークという弾き方と、あとは「リード弾き」「リードギター」と言われる、単音を鳴らす弾き方があります。

 

ただし、一般的には指で弾くことが多いとされる「アルペジオ」についても、ピックを使って弾くことが決してないわけではありません。

 

ピックの種類

フラットピック

でもここまでは、「フラットピック」と言われるピックについての話。

写真のようなピックですね。

このように、いろんな形、いろんな大きさがあります。

固さもいろいろあります。

 

もう一種類、「サムピック」というものもあります。

「サム」というのは親指のことですね。親指にはめて使うやつです。

写真の左側が、昔からあるオーソドックスなサムピック。

右側の黒いのは最近よく見られるようになったタイプで、フラットピックと同じような形のものを指にはめられるようにしたもの。

 

サムピックのは基本的に、指弾きをする時に使うものです。

アルペジオだったり、スリーフィンガーなど、あとはソロギター(インストゥルメンタル)系のギターを弾く人でもよく使う人がいます。

 

ピックの選び方

ピックはどの形、どんな厚さのものを選べばいいのか、初心者の方は迷うと思います。

基本的に、好みというか、実際に使ってみて使いやすいと感じたものなら、どんなものでも間違いではありません。

 

やましんのレッスンの際には、まずは大きめのやつで、硬さは「ミディアム」と書かれているものから初めてみては?と勧めています。

硬さの種類を三段階に分けると、

  • HEAVY・・・硬い
  • MEDIUM・・・中間
  • THIN・・・柔らかい

です。数字で書いてあったり、違う表記がされているものもありますが、おおむね上記の通り。

 

固いピックだと弦に当たった時の抵抗が強くなるので、初心者の方には少し使いにくいかもしれません。

 

あと、小さめのピックは、ストロークをした時に指に弦が当たってしまいやすいし、持つ面積が小さいのでずれやすかったりで、やはりまずは大きなな、「おにぎり型」と呼ばれるもののほうが使いやすいかな、と思います。

 

でもまあ、とにかく好みですし、そのうちいろいろ試してみるといいと思います。

1枚100円程度で買えますしね。

 

楽器屋さんに行くといろんな種類のピックが売っていますから、実際に持ってみて、確認して購入しましょう。

 

サムピックは必要なの?

続いてサムピックの話。

そもそも、このピックは使わなければいけないものなんだろうか?と悩む人も多いみたいです。

アルペジオをする際には必須なのかどうか。

 

結論を言うとそれも好みだったり、ジャンルによっては使ったほうがよかったりで、いろいろです。

 

それで、これもあくまでもやましんギターレッスンでの見解でしかないんですが、基本的に初心者の方には、使うようにすすめていません。

まずは、ピックなしで、指だけでアルペジオを練習するようにしてもらっています。

やましん自身も使っていないですしね。

(ただ現在、サムピックを使って弾く練習も少し始めているところです。)

 

親指だけにこのピックをはめるてアルペジオをすると、当然、親指で弾く弦(主に低音弦)だけが若干強め・固めの音になります。

他の指で弾く弦と差がでます。

それがかえって、低音部を強調してメリハリがつく、というメリットもあるのですが、その差があまり広がるとデメリット。

これはもう、その人の弾き方や好み次第、といった問題になってきて、「どっちが正しい」とは決められない領域だと思うんですね。

 

そのへんは初心者レベルで判断して決めつけていいものではないと思うので、まずはサムピックなしで始めてもらうようにしています。

ただどうしても、たとえば尊敬するギタリストがサムピックを使う人で、自分もサムピックを使って弾きたい!というのなら、最初からその前提で練習を始めるのはいいと思いますよ!

 

あと、サムピックを使う理由としては、アルペジオとストロークが混在した曲を弾く、という場合です。

サビだけストロークで強調し、あとはアルペジオ、とか。

こういった場合も指だけで弾く(ストローク部分は人差し指などの指先でストロークする)というケースも多いんですけどね。

 

ちなみにやましんの場合も、こういう弾き方をする場合がけっこうありまして、人差し指でストロークをすることがけっこう頻繁にあるんですが、最近は爪や指そのものが痛んできまして、サムピックを使うことも視野にいれていろいろ検討中です。

 

ただ、サムピックは指にはめて使うため、角度が完全に固定されてしまい、フラットピックよりもストロークがやりにくいです。

かなり練習が必要となります。

 

また、アルペジオの際の音量の差をなくすために、人指指、中指、薬指にもはめられるピックがあります。

ただこれは、あんまり使っている人をみかけませんね。

使いこなすには難易度が高いです。

 

ピックを全く使わない弾き方

上記のサムピックのところで少し書きましたが、ストロークをする時も全くピックを使わない、というギタリストもいます。

たとえば押尾コータローさんのように、インストゥルメンタル(ソロギター)系の演奏をする人に近年目立ちます。

特殊奏法もたくさん使いますし、ピック持つとそのプレイの幅が狭まってしまうんでしょう。

 

当然、全てのプレイを指のみで行うことになります。

ストロークの際は、主に人差し指(や中指、薬指、または何本か同時に)の爪の部分を使います。

 

これは主にダウンストローク(上から下へ下ろす)の場合。

逆にアップストローク(下から上へ)の場合は指の腹(指紋のある部分)、柔らかい部分で弾くことになりますから、当然アップとダウンでは音質が異なることになります。

これをうまく使いこなしたり、調整したりするという技術が必要なため、指でのストロークというのはピックを使うより難しいと思います。

 

また、そういう弾き方を長いことしていると、爪が痛んできます。爪の根本なども荒れてきます。

もともと爪の弱い人は、長いことこの奏法を続けられなくなってしまいます。

そのため、爪をコーティングして演奏する、という人が近年多くなってきました。

ギタリスト専用のコーティング剤なども売っています。有名ギタリストたちも使っていますんで、興味のある方は調べてみてください。

 

あと、親指でストロークをする人も時々みかけますが、どうしても親指でのストロークは音が弱いです。

小さな音しか出ないし、あまり細かな表現がしづらい弾き方なので、基本的にはおすすめしていないです。

ピックの選択は弾き方の選択とも関係する

というわけで、結局どのピックをどのように使うか、これはある意味、何を弾くか、ジャンルの選択次第、ということもできると思います。

あとは好みの問題。

ただ、好みというものは、ある程度基礎が身についてからのことだと思うので、最初はそれぞれの教室の指示に合わせるのがいいと思います。

あとでいくらでも持ち替えられるものですしね。

 

やましんギターレッスンでの教え方をまとめると、ストロークは基本フラットピックで、指弾きはサムピックなしで、というところから始めています。

(これは、主に弾き語り系のレッスンを中心としているからでもあります。)

 

それから、余談ですが、とにかくピックというのはよく紛失するもの(笑)

どこのライブハウスやスタジオに行っても、忘れ物のピックが何枚、何十枚と保管されたりしていたりします。

かならず複数枚、用意するようにしましょうね。